夏になると、「2階が暑い」「屋根や外壁がかなり熱くなっている気がする」「冷房をつけてもなかなか涼しくならない」と感じる方は多いのではないでしょうか。
そんなとき、外壁塗装や屋根塗装を検討する中で耳にすることがあるのが遮熱塗料です。
ただ、「本当に効果があるの?」「名前は聞くけれど、断熱材みたいなものなの?」「塗るだけで室内が大きく変わるの?」と疑問を感じる方も少なくありません。
遮熱塗料は、太陽の熱のもとになりやすい日射を反射しやすくすることで、屋根や外壁の表面温度の上昇を抑える考え方の塗料として案内されています。
国の住宅省エネ資料でも、反射率の高い塗料を使うことで、屋根や壁が受ける日射を反射させ、取得する熱を減らせると説明されています。
その一方で、遮熱塗料は「どの家にも同じように効く」と言い切れるものではありません。
建物の向き、屋根や外壁の素材、現在の色、断熱材の有無、周辺環境などによって、感じ方や効果の出方は変わります。
だからこそ、良い面だけでなく、注意点まで知ったうえで選ぶことが大切です。
1⃣遮熱塗料とはどんな塗料?
遮熱塗料とは、太陽光のうち、熱として伝わりやすい日射を反射しやすくする塗料のことです。
特に屋根用では、高日射反射率塗料として規格化されており、屋根や屋上の表面温度上昇を抑えることが期待されています。屋根用の高日射反射率塗料にはJIS規格があり、一般的な塗料より日射反射率を高めた材料であることや、その保持性能などが評価の対象になっています。
ここで大切なのは、遮熱塗料は断熱材そのものではないという点です。
断熱材のように熱の移動全体を大きく抑えるというより、まずは外から受ける日射を反射しやすくして、屋根や壁が熱を持ちにくくする考え方に近いです。
そのため、「塗るだけで家の断熱性能が大きく変わる」と受け取るのではなく、夏の熱対策のひとつとして考えると分かりやすいでしょう。
2⃣本当に効果はあるの?
結論からいうと、遮熱塗料には表面温度の上昇を抑える効果が期待できます。
JISの規格説明でも、屋根用高日射反射率塗料は、夏季の冷房負荷の低減や暑さ対策に関わる技術として位置づけられています。
また、実建物や試験体を用いた研究では、遮熱塗料の施工によって屋根表面温度が下がり、条件によっては室内温度の低下に寄与した例が報告されています。別の調査でも、一般塗料と比べて屋根表面温度や室内温度が低くなった結果が示されています。
ただし、室内で感じる変化の大きさは、屋根の構成や断熱性能、色、日射条件などに左右されるため、「何度下がる」と一律に言えるものではありません。
3⃣どんな場所で効果を感じやすい?
遮熱塗料は、一般的には屋根で検討されやすい塗料です。
屋根は太陽光を直接受ける時間が長く、夏場には特に表面温度が上がりやすいため、遮熱の考え方と相性を見やすい部分です。
一方で、外壁についても、南面や西面など日差しの影響を受けやすい場所では比較対象になりやすく、国の省エネ資料でも屋根だけでなく壁面への遮熱塗料の使用が紹介されています。
特に、次のようなケースでは比較しやすいことがあります。
- 夏場の2階や屋根裏の暑さが気になる
- 西日が強く当たる外壁面が熱くなりやすい
- 冷房の負担を少しでもやわらげたい
- 屋根や外壁の塗り替えのタイミングで機能性も考えたい
4⃣遮熱塗料のメリット
遮熱塗料には、次のようなメリットが考えやすいです。
| 遮熱塗装のメリット | 内容・暮らしへのプラス効果 |
|---|---|
| 表面温度の上昇を抑える | 太陽光(赤外線)を効率よく反射することで、「屋根や壁自体の温度上昇」を大幅に抑制します。熱だまりをやわらげることで、外壁材や屋根材の熱による膨張・収縮ストレスを軽減し、住まいを長持ちさせる効果も期待できます。 |
| 室内の熱伝導を抑える | 表面温度が下がることで、「室内へ伝わる輻射熱」が減少します。特に2階建の最上階などで「夏場のムッとした暑さ」が緩和されやすく、エアコンの効きが良くなることで、冷房負荷の低減(省エネ)につながる場合があります。 |
| 塗り替えと同時に機能向上 | 通常のメンテナンス周期に合わせて、「見た目のリフレッシュ」と「暑さ対策」を一度に実現できます。後から断熱材を追加するような大規模工事に比べ、塗装のタイミングで遮熱塗料を選ぶだけなので、コストパフォーマンスに優れています。 |
| 色選びの幅がある程度ある | 「遮熱=白っぽい色」というイメージがありますが、最近は「濃い色でも反射率を高めた特殊塗料」が増えています。お好みの外観デザインを維持しながら、一般塗料の同系色よりも高い遮熱性能を得ることが可能です。 |
特に「どうせ塗り替えるなら、色だけでなく機能も考えたい」という方にとっては、比較しやすい選択肢のひとつです。
5⃣知っておきたい注意点
一方で、遮熱塗料にも注意しておきたい点があります。
1.体感には差があります
遮熱塗料は表面温度を下げやすくする塗料ですが、室内での感じ方は建物条件によって変わります。
断熱材の有無、屋根裏の構造、窓の大きさ、日射条件などによって、実感しやすさに差が出ることがあります。
2.汚れで反射率が変わることがあります
研究では、遮熱塗料は汚れの付着などにより、実際の日射反射率がカタログ値どおりにならない場合があることも示されています。
つまり、塗りたての性能がそのままずっと続くとは限らないため、塗料の特徴だけでなく、汚れに配慮した選び方や定期的な点検も大切です。
3.色によって差が出やすいです
一般的に、白系など明るい色は日射を反射しやすく、濃い色は熱を持ちやすい傾向があります。
研究でも、塗装色による遮熱効果の差は大きいとされており、一般塗料でも明るい色は相応の遮熱効果が期待できると報告されています。
そのため、色選びでは見た目の好みだけでなく、熱の持ちやすさも少し意識すると整理しやすくなります。
4.費用は塗料によって変わります
遮熱塗料は、一般的な塗料より費用が上がる場合があります。
ただし、金額は建物の大きさ・状態・劣化状況・使用する塗料・工事内容によって異なるため、一律には言えません。
あくまで、塗り替えの中で「機能を加える選択肢」として比較していく考え方が分かりやすいです。
6⃣どんな方に向いている?
遮熱塗料は、たとえば次のような方に向いていることがあります。
- 夏場の暑さが特に気になる
- 屋根や西面の熱を少しでも抑えたい
- 塗り替えの機会に住まいの快適性も考えたい
- 冷房の使い方を見直すきっかけを作りたい
一方で、「冬も含めて断熱性能をしっかり考えたい」という場合は、断熱材や窓まわりの対策も含めて検討したほうが整理しやすいことがあります。
遮熱塗料は、あくまで夏の熱対策を考えるときのひとつの選択肢として見ると、イメージしやすいでしょう。
7⃣まとめ
遮熱塗料は、太陽の日射を反射しやすくすることで、屋根や外壁の表面温度上昇を抑えることが期待される塗料です。
公的資料や研究でも、屋根や壁の熱の受け方をやわらげ、条件によっては室内環境や冷房負荷に良い影響を与える例が示されています。
ただし、どの家でも同じように体感できるとは限らず、建物条件、色、汚れの付き方などによって結果は変わります。
そのため、「遮熱塗料なら絶対安心」と考えるのではなく、住まいの状態や希望に合うかどうかを見ながら比較することが大切です。
塗り替えのタイミングで、見た目だけでなく夏の過ごしやすさも考えたいとき、遮熱塗料は検討しやすい選択肢のひとつです。
気になる方は、屋根や外壁の状態、現在の暑さの感じ方も含めて、無理のない形で考えていくと安心です。
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