一般的な外壁塗装では、下塗り(シーラー・プライマー)、中塗り、上塗りの順で塗料を塗り重ねて仕上げます。これは、外壁にしっかりとした塗膜を形成することで、建物の美観を保ちつつ、耐久性を向上させるためです。一般的には、塗膜が厚い方が長持ちし、様々なメリットがあると考えられています。
塗膜が厚い場合のメリット
1.防水性能の向上: 塗膜が厚いと、外部からの水分の侵入を防ぐ効果が高まります。特に雨水の侵入を防ぐことで、内部の建材が劣化するのを防ぎ、建物の寿命を延ばします。
2.耐候性の向上: 厚い塗膜は、紫外線や風雨、温度変化に対する耐性が強化され、色褪せや劣化を遅らせることができます。
3.保護機能の強化: 塗膜が厚ければ、外壁自体が物理的な衝撃や摩耗からも保護されやすくなります。これにより、外壁のひび割れや剥がれを防ぐことができます。
これらの理由から、多くの専門家が、塗膜はある程度の厚みを持たせることを推奨しています。特に、耐久性を重視する場合や、厳しい気候条件下での使用が想定される場合には、厚い塗膜が有効です。
塗膜が薄い方が適している場合
すべての外壁が厚い塗膜を必要としているわけではありません。例えば、ジョリパッドのように、コテあとや模様をあえて壁面に残すデザイン性の高い外壁材の場合です。このような外壁では、厚い塗膜を施すと、せっかくの模様や質感が埋もれてしまい、デザインの魅力が半減してしまいます。そのため、これらの外壁材には、薄めの塗膜の方が見た目は美しく仕上がります。
適材適所で状況に応じた最適な選択が大切
塗膜の厚さに関しては、一概に厚い方が良い、薄い方が良いと決めることはできません。塗料の種類、外壁の素材、気候条件、求める仕上がりによって、最適な塗膜の厚さは変わります。重要なのは、塗装部分の特徴や用途に応じた適切な塗膜の厚さを選ぶことです。
